近年、よく耳にするようになった、海洋プラスチック問題とは、具体的にどんな問題があるのだろうか。
海洋プラスチック問題について、かんたんな解説と具体的な解決方法について解説します。
本件の内容
- そもそも海洋プラスチック問題とは?
- 日本の海洋プラスチック問題について
- 海洋プラスチック問題の具体的な解決方法
そもそも海洋プラスチック問題とは?
近年、ストローやビニール袋有料化、中国等による廃プラスチックの禁輸措置の影響もあり、プラスチック問題が加速している。
なぜ、プラスチック問題が加速しているのでしょうか。
その背景には、使い捨てやポイ捨てなどにより、河川などを通じて、海に流れ込む海洋プラスチック問題がある。
この海洋プラスチックによる環境汚染が世界的課題となっている。
具体的には、下記4点です。
①生態系を含めた海洋環境への影響
②船舶運行への障害
③観光・漁業への影響
④沿岸域の居住環境への影響
近年、海洋中のマイクロプラスチックが生態系に及ぼす影響が懸念されている。
世界で日々大量に出る海洋プラスチックごみは、長期にわたり海に残存している。
このままでは、2050年までに魚の重量を上回ることが予測されるなど地球規模での環境汚染が懸念されている。
こうした海洋プラスチック問題の解決にむけて、日々の消費やプラスチックを削減する動きが重要だ。
日本の海洋プラスチック問題について
日本の取り組みは、資源・廃棄物制約、海洋ごみ対策、温暖化対策等の幅広い課題に対応する計画が閣議決定された。(平成30年6月19日)
プラスチック生産量は、1950年以降83億トンに達し、うち63億トンがゴミとして廃棄されている。そのプラスチックは自然分解されず、半永久的に残る特徴がある。
日本は、1人あたりのプラスチックごみ廃棄量がアメリカに次いで、世界2位となっている。
日本のプラスチックごみの具体的な取り組みは、
①使い捨て容器包装等のリデュース等、環境負担の低減するプラスチック使用の削減
②プラスチック資源の効果的・効率的な回収・再生利用
③バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等
プラスチックは、私たちの生活を便利に支えてきた一方で、地球規模での環境問題となっている。
次世代に豊かな環境を引き継ぐため、プラスチック使用の削減や代替促進、また回収・再生利用等の取組が次世代にできることだろう。
海洋プラスチック問題の具体的な解決方法
結論を言うと、3R(リデュース、リユース、リサイクル)によって循環型の社会をめざすことだ。
循環型社会とは、
①廃棄物等の発生、抑制
②適正な循環的利用、処分
③資源の消費を抑制
これらのことを踏まえて、環境への負担ができる限り低減される社会のこと
もう少し分かりやすく言うと、下記の通りだろう。
1)天然資源の投入
天然資源の投入量を抑制する。
2)生産(製造、流通等)
廃棄物等の発生を抑制する。Reduce(減らす)すること
3)消費、使用
使い終わったものでも、繰り返して使用する。Reuse(再使用)すること
プラスチック製品を極力避け、汚染を発生源から止めることも重要だろう。
4)処理、廃棄
処理については、再使用できないものでも、資源としてRecycle(再循環)する。
リサイクルできず、且つ燃やさざるを得ない廃棄物を燃焼する際に発電や余熱利用などを行う。
処分する以外の手段がない場合は適正に処分する。
海洋プラスチック問題を解決する方法は、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を軸に、持続可能な循環型の社会を形成することが重要だ。